
今まで、たくさの毛糸のお店を探し回ってきた
あみぐるみを編むときに、いちばん最初に向き合うのは「毛糸選び」です。
私は趣味として楽しむために編んでいるわけではなく、ハンドメイド作家として「人に届けるもの」を編んでいます。
誰かの心をやわらげ、笑顔にするようなあみぐるみ。
そんな存在になってほしいからこそ、素材選びには特別な思いがあります。
作り続けているうちに、「こんな毛糸で編みたい」というイメージは自分の中に少しずつ育ってきました。
でも、人に届けるものだから、ただ好きな糸を選ぶだけでは済まされません。
仕入れやすいか、価格や風合いはどうか……選ぶ基準は自然と多くなっていきます。
そのたびに、私はいろんな毛糸屋さんを巡ってきました。
本当に数え切れないくらい。
パソコンの画面の中だけでは答えが出なくて、やっぱり足を運んで、初めて「これだな」と思える糸に出会えます。
だからこそ、私はネットで気軽に注文するよりも、お店で毛糸と「直接会う時間」を大切にしています。
今日はそんな、毛糸専門店での毛糸選びについて、私の経験を少しお話ししてみようと思います。
毛糸は実店舗で購入する

私がよく足を運ぶのは、昔からある毛糸専門店。
毛糸専門店に行くと、棚にずらっと毛糸たちが並んでいます。
手にとってみると、やわらかさや艶までわかって、「この子はきっと、くまちゃんにぴったりだなぁ」なんて、自然とイメージがふくらんできます。
写真だけでは分からない微妙な違い・・・。
そういう「感覚」を頼りに、毛糸を選べるのは、やっぱり実店舗ならではの魅力です。
お店の中いっぱいにどっさり毛糸が置いてある

その毛糸専門店には、長年お店に立ち続けている店主さんがいらっしゃいます。
この道ひとすじの方なので、毛糸のことなら本当に何でもご存じなんです。
お店の中は、色とりどりの毛糸がどっさり。
見ているだけでも楽しいんですけど、種類が多すぎて「どれを選んだらいいんだろう?」って迷うこともしょっちゅうです。
でも、そんなときに店主さんが声をかけてくださって、
「これはアクリル毛糸だけど、手触りが驚くほどやわらかいの。あみぐるみを編む人にすごく人気よ」
「この毛糸は、実際に編んでみると仕上がりの良さが分かるのよ」
なんて、プロの目線でアドバイスをくださるんです。
以前、私が作ったあみぐるみを見せて感想をいただいたこともありました。
「きれいに仕上がってるね」「この部分、もう少し目を詰めるともっといいよ」って、的確にアドバイスをくださって。
毛糸の選び方って、なかなか自己流になりがちだけど、
こうして経験のある方の言葉を聞けると、自分の編み方や仕上がりを見直すきっかけにもなります。
私以外にもかぎ針編みの雑貨を作っている方がたくさん来ているみたいです。
お店では、店主さんに毛糸の相談をしている方をよく見かけます。
このお店は、ちょっとした「編み物好きの集まる隠れ家」みたいな存在です。
店長さんが編んだ見本が置いてあり、手触りが分かる

このお店のいちばん嬉しいところは、店主さんが実際にその毛糸で編んだ見本が、ちゃんと置いてあるところです。
毛糸って、見た目だけじゃなかなか分からないんですよね。
ネットショッピングだと、写真と説明だけでは柔らかさも風合いも伝わりませんし、
たとえ実店舗でも、毛糸玉の状態では「これを編んだらどうなるんだろう?」って、想像がつきにくかったりします。
でもこのお店では、見本の編み地を触らせてもらえるので、
「あ、この毛糸で編むとこんなにふんわり仕上がるんだ」
「見た目よりずっとやわらかくて気持ちいいなぁ」
といった発見ができるんです。
そんなふうに、毛糸って見た目と編み上がりの印象が違うことも多いんです。
だからこそ、見本を見たり、実際に手で触れたりできるって、本当にありがたいなぁと感じています。
「この毛糸は安定供給されますか?」

私が毛糸専門店でよくたずねる質問があります。
それは「この毛糸は安定して仕入れられますか?」ということ。
あみぐるみを何個も同じデザインで作るには、毛糸がずっと変わらず手に入ることがとても大事なんです。
新しい商品をつくるとき、私はまず試作して、形や表情を何度も確認して…
やっと納得いくものができたら、レシピをノートにまとめておきます。
でも、使う毛糸が変わってしまうと、
同じ編み図でも思ったような仕上がりにならなくて、また一から編み図の作り直しになることも。
それはちょっとした違いでも大きく響きます。
毛糸の太さ、柔らかさ、伸縮具合、色の発色……どれも仕上がりに関係してきます。
あみぐるみは、マルシェに出店してお客さまの反応を見ながら、少しずつ育てていく商品です。
何度も出して反応を見て、改良して、やっと定番として育てていくのに、「もう毛糸が手に入らなくなりました」では、本当にがっかりしてしまいます。
だから私は、「掘り出し市のような1点ものの材料」では商品を作らないと決めています。
「この毛糸なら、ずっと変わらず入荷されるよ」
そうやって店主さんが教えてくれるから、安心して定番の子を作っていけます。

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