ペンギンたちが住んでいる島の海の向こうには、氷の山がありました。
氷の山には、ペンギンたちの大好きないちごのカップケーキがあるという噂がありました。
ふわふわのクリームがのっていて、甘い香りがするカップケーキ。
それだけじゃなくて、そこにはたくさんのお菓子があるらしいのです。
「ほんとかなあ」
「見てみたいね」
小さなペンギンたちは、海の向こうをじっと見つめていました。
でもその日は、とても寒い日でした。
夜になると、海の中からアザラシたちが静かに近づいてくることもあります。
「もうすぐ暗くなるから帰っておいでね」
遠くから、お母さんの声がしました。
ペンギンたちは顔を見合わせました。
本当は行ってみたかったのです。
でももう、時間がありませんでした。
「……今日はやめようか」
誰かが小さく言いました。
そうしてペンギンたちは、その氷の山へ行くのをやめました。
その日の夜、海が荒れて、その氷の山は遠くに流されてしまいました。
ペンギンたちは、ときどき海の向こうを見ます。
そこには、本当においしいカップケーキがあったのかな?
もしかしたら、カップケーキよりももっと楽しいことがあったのかもしれません。
それから何年も経ち、ペンギンたちは立派な大人になっていました。
ときどき、あの日のことを思い出します。
そして、ペンギンたちは、ひとつだけ信じています。
いつかきっと。
いつかみんなで。
あの海を渡って、氷の山にたどり着ける日が来るって。
そしてその日には、みんなでいちごのカップケーキを食べるのです。
きっと、とても甘くて、とても楽しい味がするでしょう。
キャラクター情報
- 名前:レオ
- 性格:元気で冒険心がある、友達と遊ぶのが好き、食いしん坊
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海を渡れなかったペンギン【あみぐるみ物語】

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