
意匠権とはどんな権利?
意匠権(いしょうけん)というのは、
工業製品のデザインを守るための権利のことです。
ここでいうデザインとは、絵画のような一点ものではなく、
お店で販売するために量産できるような商品のデザインのことを指します。
たとえば、工場などで同じ形の商品をたくさん作って販売するようなものですね。
意匠権を取得すると、
そのデザインの商品を自分だけが独占して販売できるようになります。
もし他の誰かが似たようなデザインで勝手に販売していたら、
販売の中止を求めたり、場合によっては損害賠償を請求することも可能です。
また、意匠権は特許庁に正式な書類を提出して登録されるので、
「これは自分のデザインです」と証明する手段にもなります。
意匠権の効力とは具体的にどのようなもの?
たとえば、あなたが一生懸命デザインして生み出した商品。
やっと形になって販売を始めたその商品を、誰かがそっくりそのまま真似して販売していたら…?
せっかく時間もお金もかけて考え抜いた「自分だけのデザイン」なのに、悔しいし、ブランドとしての価値だってあっという間に失われてしまいますよね。
ハンドメイド作家さんの多くは、仕入れから商品開発、制作、撮影、販売、発送まで、すべてをひとりでこなします。
まるで小さな会社をひとりで運営しているような感覚です。
だからこそ、商品を開発するということが、どれだけの材料費や時間、そして想いを込めて作られているのか、自分自身がいちばんよくわかるんです。
でも模倣する側は、そういった開発の工程や費用のことまでは想像が及ばないのかもしれません。
だけど、やっぱりそれって大きな損失です。
だからこそ、意匠といった「権利」は、こうしたクリエイティブな資産を守るために存在しているんですよね。
特に意匠権が強いのは、「色を変えた」「形をちょっとだけ違うようにした」といったようなものでも「類似」として認められる可能性があること。
つまり、「ほとんど同じで、ちょこっとだけ変更」でもNGになることがあるんです。
ハンドメイド界隈では、Instagramなどで、「似てるな…」というデザインを見かけることも少なくありません。
おそらくこれは、ハンドメイドの世界だけでなく、別の商品の世界でも同じようなことが起こっていると思います。
そんなときに、「意匠権」があると本当に心強いです。
なんといっても、意匠権は最長で25年までデザインを守ることができるんです。
25年ってすごくないですか?
それだけ長く、大切なデザインを守ってくれるなら、審査に少し時間がかかったり、費用が必要になるのも納得できる気がしますよね。
取得に時間とお金がかかる意匠権
意匠権を取得するには、時間とお金がかかります。
特許ほどではありませんが、著作権よりは費用がかかる印象です。
しかも、申請してすぐにOKというわけではなく、通常は半年ほどかけて審査されるのが一般的です。
この「時間がかかる」というのは、しっかりとした審査基準があって、ちゃんと調査が行われている証拠。
つまり、それだけ意匠権という権利がきちんと守られていて、その価値が認められているということだと思うんです。
やっぱり、簡単に手に入るものは、価値が低くて、
逆になかなか手に入らないものほど、価値が高いんだなって感じますよね。
補正もなく、すいすいと審査を通過した
複数のハンドメイド作品で意匠権を申請していたのですが、
とりあえず1つの意匠権は、補正もなくすいすいと登録査定の通知書が届きまして、意匠登録料を振り込みました。
特許庁に問い合わせたところ、この時点で無事に意匠権を取得できているとのことでした。
せっかく意匠権を取得できたので、これから公共のビジネス相談などにも足を運んで、しっかり相談していこうと思っています。
後に申請した作品の方が早く登録査定通知書が届いた
もう1つ申請した商品はまだ登録査定通知書が届いていませんでした。後に申請した商品の方が、早く登録査定通知書が届きましたので「どうしてだろう??」と思っていました。
意匠登録料は1ヶ月以内に振り込まなければ、取り消しになってしまうため、万が一先に申請した物が不在の時に届いていて、郵便局に保管されたままになっていたらと、だんだん心配になってきました・・・。
登録査定通知書は確か手渡しで郵便局から受け取りました。不在届はなかったけどなと思いつつも心配でしたので、特許庁に問い合わせてみました。
確か私が読んだ本には6~7か月で初めの通知が来ると記載されていましたので、その時期はとうに過ぎていたからです。
6~7か月で何らかの通知が来ると記載してあったのに、通知がなかった意外な理由
回答は、6〜7ヶ月で何らかの通知が来るというのは、実は1つの商品分類につき年に2回審査があり、
①申請した月の後、運良くすぐに審査がある場合
②審査が終わったすぐ後の申請だったため、次の審査まで期間が開く場合
があるそうです。
このように申請したタイミングによっては、早くて3か月後、遅くて9カ月後に審査があるとのことでした。
6〜7ヶ月に何らかの通知があるというのは、3〜9ヶ月の間をとった平均のことだそうです。
平均でしたか・・・。こういったことも、経験して初めて分かることですね。そんなこと実用書に書いてないですから。
申請中に作品を公表しても問題ないかを、電話で問い合わせてみた
意匠権を申請してから、権利が取得できるまで時間がかかります。
せっかく商品が完成したのですから、早く販売したいと思う人もいるかと思います。
でも、申請後に、まだ権利が取得できていない時期に商品を販売してもいいのか?という疑問が湧いてきますよね?
そこで、特許庁にお問い合わせをしてみました。回答は・・・
申請をした後で、商品を世間に公表しても審査に影響しないそうですが、万が一にも申請が通らなかった場合には、公表した商品が真似されてしまっても権利がないのでデザインを守れないとのことでした。
ということは、念には念を押して公表を控える方もいると思うので、その間商品を大々的に販売できないことを考えると9カ月は長いですね。
長く愛されるデザインを育てるために
でも、意匠権は、大切なデザインをしっかり守るための大事な制度です。
審査に時間がかかるのは、その分じっくりと価値を見極めているからこそ。
長い時間をかけて認められた権利は、作品の未来をしっかり支えてくれます。
こうした意匠権という制度を活用しながら、一つひとつのデザインを丁寧に育てていくことが、長く愛される作品を生み出すためにとても大切なことだと感じています。
意匠権取得後も相談できる窓口があるって知ってましたか?
私も実際に利用して、とても助かりました。
意匠権の活用や疑問解消に役立つ情報をまとめた記事はこちらです。ぜひ参考にしてくださいね。
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